人生の交差点:「これやこの行くも帰るも別れては 知るも知らぬも逢坂の関」のストーリー

(10番)これやこの行くも帰るも別れては 知るも知らぬも逢坂の関
 これがあの、京に行き来したり別れたりする、知っている人も知らない人も出会うという逢坂の関か。


 逢坂関とは、今の京都府(山城国)と滋賀県(近江国)の境となっていた平安時代の関所とのことですが、正確な位置は現在では定かではありません。絵の中にある常夜灯は滋賀県大津市の国道1号線沿いにあるそうですが、現在の場所は、本来あったとされる場所とは違うといわれています。
 古来この関所は、京の都に行く人とそこを出る人、出会う(「あうさか」にもじって)人と別れる人にとっていわば〝人生の交差点〟ともいえるところであったとされています。この点では、江戸時代の関所が単なる軍事的な関門であったことと比べると、この時代はだいぶ趣が異なっていたように思えます。
 そこでこの歌の情景を、それぞれお互い他人同士で目的も異なる通行人が行き交う感じに表現しました。この情景を前にして、坊さんは移り変わりゆく人の世の無常を実感し、ひたすら勤行に励んでいます。なお、この坊さんの笠にとまっているセミは作者の名「蝉丸」にちなんだものであり、特に何の意味もないおやじギャグです(笑い)。

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