パルテノン神殿:「百敷や古き軒端のしのぶにも なほあまりある昔なりけり」のストーリー

(100番)百敷や古き軒端のしのぶにも なほあまりある昔なりけり
 宮中の古びた建物の軒端に生えている忍ぶ草にも、やはりしのんでもありあまるほどの昔の時代が感じられることだ。


 この歌のオリジナル解釈では、軒から下がっている「忍ぶ草」(ノキシノブのこと。ウラボシ科ノキシノブ属に属するシダの一種。また、ノキシノブ属の総称としても使われる)を見て古きよき時代を懐かしんでいるのですが、ここでは思い切って、舞台をはるか昔のギリシャに移します。
 ある円盤投げ選手が競技会に向けて練習に励んでいます。円盤を手に持ち、投げる動作の始動に入ったちょうどそのときでした。彼はふと視線の先に石畳のすきまから生えているタンポポを目にしました。
 「おや、こんな狭い隙間からタンポポが生えているぞ、これは俗にいう『ど根性タンポポ』というやつだろう。そういえば、昔この場所に神殿があって、『オリンピア』(オリンピックのこと)の大会が四年に一度開かれていたんだな。懐かしいことだ!この石畳も、もしかしたらその神殿のなごりかもしれないな」。
 参考までに、この選手の絵は例の有名な
ミュロンの彫刻をモデルにしたもので、背景はパルテノン神殿です。
 なお元の彫像においては、〝彼〟は下半身を含めて全裸ですが、ここでは彼に〝ももひき〟をはかせました。その意図は公序良俗を考慮したというよりも、単に「ももしき」にかこつけたおやじギャグです(笑い)。

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