ー パロディ百人一首 ー

ドガ 踊り子:「天津風雲の通ひ路吹き閉ぢよ をとめの姿しばしとどめむ」のストーリー

(12番)天津風雲の通ひ路吹き閉ぢよ をとめの姿しばしとどめむ
 天を吹く風よ雲の通り道を閉じてくれ、天女の姿を今しばらくここにとどめるために


 その昔、新嘗祭の翌日に公家や貴族の未婚の娘たちを集めて行っていた五節の舞を見て詠まれたといわれています。このときの踊り手を「天女」にたとえたのですが、もともとこの舞も天女伝説に基づいているそうです。作者としてはこの美しい舞をもうしばらく見ていたいという願望から、この歌を詠んだとされています。
 ところで、この場合に念頭に置いている天女とは、三保の松原などに伝わる羽衣伝説の天女のようなイメージでしょうが、そうすると、天女たちを天に帰さないためには、伝説にあるように、とりあえず彼女たちの衣服を盗ってしまえばよいことになります。しかしまさか、そのようなけしからぬ行為を望むわけにいきませんので、別の手段として、地上から天への通り道である「雲の通ひ路」を閉じてくれ、となったのでしょう。
 時代は変わって、現代では舞台上でのパフォーマンス終了後、これを「もう少し見たい」という〝名残惜しさ〟を示す場合には、「アンコールの拍手」を送ります。そこであるバレエの公演のことを想像しました。バレリーナのモデルはドガの『踊り子』です。講演後の彼女の姿を「しばしととめる」ために、観客は熱烈なアンコールを行います。

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