ー パロディ百人一首 ー

カワセミの困惑:「千早ぶる神代も聞かず竜田川 からくれなゐに水くくるとは」のストーリー

(17番)千早ぶる神代も聞かず竜田川 からくれなゐに水くくるとは
 このようなことは神代の昔でも聞いたことがない。(紅葉の落ち葉で)竜田川の水が鮮やかな紅色に絞り染めにされているとは。


 奈良県にある紅葉の名所竜田川。あるうららかな秋の日に、カワセミくんがやってきて、いつも縄張りとしているもみじの木の枝に向かって飛んできましました。
 「そろそろ腹も減ってきたことだし、メシの時間とするか。あの枝の下には、ごちそうとなる魚がいくらでも泳いでいるんで、絶好の縄張りだ。だれにも渡すもんか」。
 ところが、その枝にとまり、川面を見下ろしたとき、カワセミくんが愕然としました。なんと、水面全体がもみじの落ち葉で覆いつくされて、その下を泳いでいるにちがいない魚がまったく見えないのです。
 「クッソー、何ということだ!これではエサの魚が何も見えないじゃないか。こんなことはこれまで見たことも聞いたこともない。まるで水面全体が赤く絞り染めにされているみたいだ。そうか、そういえば、今は紅葉狩りの真っ最中だったんだ。どうりで見物人がまわりにうようよいるわけだ。エーイ、いまいましい!」。
 はたしてカワセミくんは首尾よくエサにありつくことができるでしょうか。
 (「カワセミのチャンス到来」に続く)

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