ー パロディ百人一首 ー

ムササビとTシャツ:「春すぎて夏来にけらし白妙の 衣干すてふ天の香具山」のストーリー

(2番)春すぎて夏来にけらし白妙の 衣干すてふ天の香具山
 春ももう過ぎて夏が来たらしい。天の香具山では真っ白な衣を干すということだから。


 季節は徐々に夏へと向かっているようです。このような時期の週末、晴天にり、多忙なOLのアライさんはたまっていた洗濯物を洗って、ベランダいっぱいに外干しています。そして真っ白なTシャツを物干しざおに掛け終わったまさにそのとき、森の方から一匹のムササビが気持ちよさそうにこちらに滑空してきたのを目にしました。
 彼女には、このときのムササビが体をいっぱいに広げている姿が、まさに目の前に干されているシャツとダブって見えたのでした。
 「あれぇ、Tシャツが空を飛んでいる!こっちに向かって来るみたい。いいなあ、〝彼〟はのびのびと思いっきり羽を伸ばせて」
 しかし、この〝彼〟の姿はやがてアライさんの前から消えました。要するに単なる彼女の幻覚なのでした。
 「そうか、やっぱりまぼろしだったのか。考えてみればムササビは夜行性だからこんな真昼間に活動しているわけはないし…ここのところ残業続きだったんで、わたし相当疲れているんだ。それにまたあした(日曜日)は休日出勤だから、いやになる!ああ、休日が家事だけで終わるんじゃなく、楽しくリフレッシュもできるような、人間らしい暮らしがしたい!」

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