ー パロディ百人一首 ー

かちかち山:「名にし負はば逢坂山のさねかずら 人に知られでくるよしもがな」のストーリー

(25番)名にし負はば逢坂山のさねかずら 人に知られでくるよしもがな
 これがあの有名な逢坂山のさね(小寝)かずら。この名前にちなんで、人知れずあなたを連れてくる手立てが欲しいものだ。


 恋しい人に逢えるという逢坂山で、偶然目にした「さねかずら」。「さね」には一夜をともに過ごすという意味合いもあり、俄然片思いのウサギさんをさねかずらをたぐり寄せるように連れ出したいと下心を抱いたタヌキ氏。すると何とそのとき、当のウサギさんが彼の背後にやってきたではありませんか!
 タヌキ「おまえ、やっぱりオレにほれてついてきたんだな(しめしめ、連れ出す手間がはぶけた)。おや、カチカチという音が」
 ウサギ「そうよ、ここは〝カチカチ山〟だもの」(と火打石で火を起こす)
 タヌキ「そうか、ここは、おまえに逢える『逢う坂』山だと思っていたんだが。あれっ、背中の柴がパチパチと音を立てている。もしかして、ボウボウと燃えてるんじゃないか」
 ウサギ「ええ、ここは〝パチパチ山〟、〝ボウボウ山〟とも呼ばれているの」(火を煽る)
 タヌキ「なんかへ理屈っぽいな。アッチッチ!何だ!いったいどうなってるんだ!」

 太宰治の『お伽草子』を参考にしました。ここでは、あのよく知られた童話の『かちかち山』が、小悪魔的美少女のウサギに恋するさえない中年のタヌキを主役として、パロディ化されています。

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