ー パロディ百人一首 ー

犬猿の温泉入浴:「山里は冬ぞ寂しさまさりける 人目も草もかれぬと思へば」 ストーリー

(28番)山里は冬ぞ寂しさまさりける 人目も草もかれぬと思へば
 思うに、山里は冬こそが一番寂しい季節なのだ、人も動物も草も枯れていなくなってしまうので。


 山里は冬こそまさに寂しさが身に応えます。人もいないし草木も枯れてしまっていますから。こんなに寂しい状況の中で、一般的に「仲が悪い」とみなされているイヌの「ケン」とサルの「エン」がふと出会いました。
 ケン「ホントにエサも少なく、寂しい冬だな。ご主人さまがおいらを置き去りにして町に出稼ぎに行ってしまったんで、もう途方に暮れているところなんだ」
 エン「オレも同じさ。特にサルはイヌと違って寒さが苦手なんで、もう震えが止まらなくて大変だよ。ん、あれは何だ、露天風呂ではないか。どうだ、からだをあっためるために、ひとついっしょに入ってみるか」
 ケン「えっ、おいら温泉なんかつかったことがないし、それにエンさんのお仲間があとでどっと入ってきたら仲間はずれにされていじめられるかも」
 エン「だいじょうぶ、ここはあの地獄谷の野猿公苑じゃないからオレのほかにサルなんかいやしないよ」
 ケン「そうか、じゃ入ってみるか。世間では『犬猿の仲』などと、まるでおいらたちが仲が悪いみたいにいっているが、そんなのはデマだってことを見せてやろう」

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