ー パロディ百人一首 ー (40番)しのぶれど色に出でにけりわが恋は ものや思ふと人の問ふまで こらえていても私の恋心は顔に出てしまった。恋しているのではと人が尋ねるほどに。 おかしいなぁ、オレがクラスメートのあの子が好きだということは、今まで誰にも言わずに隠してきたんだが、妹のやつ、「お兄ちゃん、だれか好きな人がいるんでしょう」などとからかうようになった。 そういえば、最近こうしてやたらに鏡を見て、めかしこむようになったんで感づかれたのかな。ませたやつだ。油断ならない! もう算数の宿題なんか、教えてやらないからな。おっと、そういうオレも、この前の数学のテストで落第点とりそうになったんだっけ(笑い)。 まあ、いい。少しくらいませてるだけなら、まだかわいげがある。だが、このごろでは、「どうせそのうちフラれちゃうね」なんて、ひどいことも平気でいうようになってきた。なんて冷たいやつだ! そうして今なんか、自分がこの鏡に映っているのも気にせず、堂々とオレのことをのぞき見て笑っているようだ。 バカにするな!オレだってその気になれば、ひょっとしたら、街中で芸能スカウトから声がかかるようなことがあるかもしれないんだ。フラれたりなんかするもんか。今に見てろよ。 0件のコメント コメントを残す コメントをキャンセルメールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です 名前* <必須> (Name* <mandatory>) メール <任意> (E-mail <option>) サイト <任意> (Website <option>) ご意見、ご感想をお願いします。(Your opinions or comments.) Δ
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