ー パロディ百人一首 ー

ライオンの想い:「逢ひ見てののちの心にくらぶれば 昔はものを思はざりけり」のストーリー

(43番)逢ひ見てののちの心にくらぶれば 昔はものを思はざりけり
 あなたとの逢瀬のあとの心に比べれば、その以前は恋心などないのと同様であったのだ。


 ライオンのオスというと、その立派なたてがみや堂々とした体躯から、まさに「百獣の王」として、草原を悠々と闊歩しているイメージですが、実はメスを得る(通常は他のオスから奪う)まで悲惨な放浪生活を続け、多くの場合、野たれ死にすることに。
 ここに取り上げるオスライオンの場合、熾烈なたたかいの結果、ようやくメスライオンの「エルザ」を獲得することができました。
 今やファミリーの主となり、とりあえず安泰な生活を手に入れることができた彼は、草原に寝ころびながら、ふと思いました。
 「思えば、苦しいたたかいだった。エルザをあの野郎から奪うまで、何と多くの犠牲を払ってきたことか。でもオレはなんでエルザにこんなにこだわってきたのか。オレほどの男になれば(ここで彼はうぬぼれる)、エルザじゃなくても、ほかにいくらでもいい子が寄ってくるのに。
 そうか!このファミリーを築いたのは単にオレの生活と子孫のためではなく、実はエルザに恋をしていたからなのだ。要するにメスなら誰でもよかったのではなく、エルザでなければダメだったんだ!エルザを得て初めて、この激しい『恋心』ってやつに気づいたということか」

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