ー パロディ百人一首 ー

悲しい声は聞かザル:「奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の 声聞く時ぞ秋は悲しき」のストーリー

(5番)奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の 声聞く時ぞ秋は悲しき
 奥深い山の中でもみじの落ち葉を踏んで鳴く鹿の声を聞くと、つくづく秋は悲しいと感じることだ。


 紅葉の真っ盛りの時期になると、シカのオスがメスを慕って鳴く。人びとは、その声を聞くと悲しくなったものだそうです。厳しい冬の到来を予感してのものでしょうか…
 その奥深い山の中にサルのジンゴロウくんがひっそりと生息しています。ジンゴロウくんにとって秋とは、エサとなる多くの木の実が実り、ある意味待ちに待っていた季節のはずですが、これからやってくる雪に閉ざされた寒い冬のことを考えると、やはり憂うつになります。ジンゴロウくんいわく、
 「ちぇっ、シカのやつ、ヒェーヒェーとうるさく鳴きやがる。この声を聞くようになると、あの寒くていやな冬が近いんだってな。だからオレはとってもいやな気分になる。そうだ、もしかしたら、この声さえ聞かなければ冬は来ないのかもしれない。そうだ、ここはあの某有名神社にある木彫りの彫刻(日光東照宮にある三猿像)のように耳を覆って『聞かザル』を決めこもう。これで将来のことを考えることなく、この木の実豊富な〝今〟だけを存分に楽しめるぞ」。
 この話を単に愚かな「現実逃避」ということで嗤えるでしょうか。

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