ー パロディ百人一首 ー

剣道女子の失恋:「恨みわびほさぬ袖だにあるものを 恋に朽ちなむ名こそ惜しけれ」のストーリー

(65番)恨みわびほさぬ袖だにあるものを 恋に朽ちなむ名こそ惜しけれ
 恨む気もなくし涙で濡らしたこの袖が乾かないのでさえ惜しいが、さらにその上、自分の名声を恋のために汚れさせるのが惜しい。


 この歌では例によって、「涙で袖を濡らす」ようなことを意味する「ほさぬ袖」という表現が出てきますが、これは「マリリンの涙が止まらない」などでも述べたように、「涙が止まらない」ということを大げさに表したものです。そういう前提で、ここでは、剣道に打ち込んでいる、ある女子高生をご紹介します。
 彼女は、同じ高校のサッカー部のダイスケ先輩にずっと恋焦がれていましたが、ある日思い切って、その気持ちを打ち明けました。そうしたら、彼はこう応えました。
 「ありがとう。でもオレもうチアリーダーの○○とつきあってるんだ。ごめん。今度の剣道の試合、がんばれよ」
 彼女は、誰も見ていないところで、それこそ、剣道着の袖を涙で汚してしまうのではないかというほど泣きましたが、すぐそのあとで、気丈にもこう決意しました。
 「もうこうなったら剣の道にとことん打ち込んでみます。私だって有力選手のひとりなんだから、失恋の涙で剣道着が濡れてしまうのも惜しいけれど、自分につまらない評判が立ってしまうのはもっと惜しい。それにしても、自分の涙顔を隠してくれるこの面とは何とも重宝なものです」

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