ー パロディ百人一首 ー (86番)嘆けとて月やはものを思はする かこち顔なるわが涙かな 「嘆け」と言っても月はものを思ったりするのだろうか。月のせいにして流れるのは私の涙だ。 (あるアパートの一室。一人暮らしの男がソファに座り、涙を流している。ときおり、タオルで顔を覆い号泣) 好きなあの女にあっさりフラれ、いい年してじっとしていても涙が止まりません。(観客席を向いて)こら!こんなみっともないところを写真に撮るんじゃない!(ここで窓の外の満月を見る) そうだ、昔の歌人は月を見ると悲しくなるといったくらいだから、ボクのこの涙もあの「もの悲しい月」のせいにしよう。きっと月がボクに「嘆け」といっているんだ。うーむボクもなかなかの風流人だなぁ。(しばらくして)だけど、いくらなんでもこんな見え透いた言い訳ではウソっぽいな。(その後、夕食のカレーライスを作るためキッチンに移動し、エプロンを着用して一個のタマネギを手に取る) ようしこうなったら、この涙の理由を「タマネギが目にしみたから」ということにしてみよう。(やにわに包丁でタマネギを切り始める。目からはさらに涙が) 男というもの、失恋したくらいじゃ泣かないものだ。わかったか!(観客の失笑)(幕) 0件のコメント コメントを残す コメントをキャンセルメールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です 名前* <必須> (Name* <mandatory>) メール <任意> (E-mail <option>) サイト <任意> (Website <option>) ご意見、ご感想をお願いします。(Your opinions or comments.) Δ
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