ー パロディ百人一首 ー

悲しい酒:「見せばやな雄島の海人の袖だにも 濡れにぞ濡れし色は変はらず」のストーリー

(90番)見せばやな雄島のあまの袖だにも 濡れにぞ濡れし色は変はらず
 見せたいものだ。雄島の漁師の袖でさえどんなに波に濡れても色は変わらないことを(私は泣きすぎて出た血の涙により袖の色を変えてしまったのに)。


 雄島は宮城県の松島にある島のひとつで歌枕にもなっています。ここでは、前回の「剣道女子の失恋」に引き続き「袖を濡らす」という表現も出てきますが、今回取りあげる涙は単に袖を濡らす程度でとどまらず、涙は涙でも色のついた〝血の涙〟ということです。
 通常目が損傷していない限り血の涙など出ませんが、この涙は、あまりにもつらすぎて泣いたときに流す涙のたとえなのだそうです。そこで、私が思うに、これは号泣のときのように量が多い涙というよりも、むしろこらえきれないほどの強い悲しみにおそわれて流れてくる、質的に異なる〝濃い涙〟のことではないでしょうか。
 ここで登場するヒバリさんは、すでにお亡くなりになった、ある有名な超大物歌手に似ています。最近になって彼女は、とても大切な人と大変つらい別れを経験したそうです。そこで、彼女はとてもあきらめきれない〝あの人〟のことをなんとか忘れるために、ひとり酒場でお酒を飲んでいました。しかし、あふれてくる涙をおさえきれず、結局は、「別れ涙」の味がする〝悲しい酒〟を飲むことになったのでした。そうです、このときの「別れ涙」こそまさに、袖の色を変えるほどの〝血の涙〟なのかもしれません。

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