ー パロディ百人一首 ー

待つネコ:「来ぬ人をまつほの浦の夕なぎに 焼くや藻塩の身もこがれつつ」のストーリー

(97番)来ぬ人をまつほの浦の夕なぎに 焼くや藻塩の身もこがれつつ
 来ない人を待っている松帆の浦の夕なぎに、藻塩を焼くように自分の身も待ち焦がれていることだ。


 「まつほ(松帆)の浦」は淡路島の北端にある海岸ですが、「待つ」とかけています。「藻塩を焼く」は古来の塩の製法過程で、海藻に海水をかけて干し、さらに焼くなどの作業ですが、ここでは「こがれる」を引き出すのが役割になっている…等々、技巧のオンパレードです。さすがは、百人一首の選者定家の作品です。結局は、「来ない人(恋人)を、この身をこがすような思いで待っている」ということですが、では誰が待っているか、それは作者ではなく、海人(あま)の少女であり、この歌もその少女の気持ちをいわば〝おもんばかって〟詠まれているとのことです。 しかし、「恋人を待つ気持ち」はある程度男女間で共通性があるといっても、いい年したおじさんが、どれだけ少女の気持ちを理解できるのというのでしょうか。
 この絵では、「松帆の浦」と「藻塩」の美しい情景が、単に序詞として片づけられるには惜しいと感じましたので、これらを直接の形で表すことにしました。ただし藻塩については鯛の塩焼き(?)に変えました。そして代役はドラネコです。〝彼〟はいくら待っても来てはくれない恋ネコのことを思い、鯛の塩焼きを焼く思いで恋焦がれています。背景は松帆の浦から見える明石海峡大橋です。

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