ある純情な高校生が嘆いています。
「いつ見かけたか忘れたけれど一目で『あの子』に恋をしてしまいました。それ以来ボクの頭の中はいつも『あの子』のことでいっぱいです。もう何を見ても『あの子』の顔や姿が目の前にちらついて離れず、どうしょうもありません」
(ある日、深く悩みながらみやげ物屋に入り、そこで一つの万華鏡を手にとり、これをのぞいてみる)
「やや、なんだこれは!いとしい『あの子』が無数に目の前に現れて、ボクに微笑みかけてるではありませんか。もう、ボクは気も狂いそうです」
(万華鏡をもとの場所に戻し、平静さを取り戻す)
「でも『あの子』を見かけたときの記憶が、やっぱりないのです。実はボクは『あの子』なぞ一度も見たことがなく、これはボクの妄想かもしれません。もしかしたら、これが『恋に恋する』ということなのでしょうか(苦笑)」
(「四つ葉のクローバーを君に」に続く)
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