ー パロディ百人一首 ー (89番)玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば 忍ぶることのよわりもぞする 私の命が亡くなるのなら亡くなってしまえばいい。このまま長らえてしまえば耐え忍ぶ気持ちが弱ってしまうのが困るので。 とあるレストラン。黒いノースリーブのドレスに身を包んだ三十代前半の女性A子さんと渋いスーツを着こなした中年男性B氏。何やらワケアリの二人がワイングラスを手にして語り合っています。 A子「ねえ、Bさん、またこうして逢えてホントによかった。この真珠のネックレス、ありがとう。わたしに似合うかしら。あなたはわたしのことを、情熱的な女だと思ってるかもしれないけれど、わたしこう見えても意外とクールに割り切れるところもあるの。そう、あなたがいくら奥さんと別れて、わたしといっしょになるといっても、わたしにはあなたが自分の家族をすてられないことは、よくわかってる。だから、わたしこの辺でもう身を引かなきゃね。 でも…そうはいっても、この恋心はつのるばかりで、これ以上耐え忍ぶことができません。このまま命がなくなってしまうならそれでもいいの。でなければ、心に秘めたこの恋がばれてしまいそう。そうよ、いっそのこと、この幸せな気分のままあの世に行ってしまいたい!このワインに毒でも入っていればいいのに」 (「不倫の密会・その二」に続く) 0件のコメント コメントを残す コメントをキャンセルメールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です 名前* <必須> (Name* <mandatory>) メール <任意> (E-mail <option>) サイト <任意> (Website <option>) ご意見、ご感想をお願いします。(Your opinions or comments.) Δ
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